宮崎県立美術館
1995(平成7)年10月、県民に親しまれる開かれた美術館を目指して開館した。岡田新一氏によって設計された建物の東側は「天岩戸」をイメージしたデザインとなっている。「県立図書館」と「メディキット県民文化センター」の間にあり、すっきりとした姿が印象的だ。西側は変化のある開放的なデザインで、芝生の広がる県民広場に面し、親しみやすさを感じる。
同美術館では、郷土出身作家および宮崎県にゆかりのある作品、日本の美術の流れを展望するにふさわしい作品、海外のすぐれた作品の3つの方針のもとで作品の収集を進めている。その収蔵点数は約4,200点になるというから驚きだ。これらのコレクションは「国内外の名品」「宮崎の美術」「瑛九の世界」「イタリア彫刻」等のテーマで、年4回の展示替えを行なっている。
戦後日本の前衛美術に大きな影響を及ぼした、宮崎市出身の瑛九の作品は1,000点近く収蔵されている。油彩、フォト・デッサン(フォトグラム)、版画等の作品に加え、遺品や画材、写真等の資料は専用の「瑛九展示室」で観覧することができる。海外作品はポール・シニャック、パブロ・ピカソ、ピエール・ボナール、ジョルジュ・ルオー、パウル・クレーなど、瑛九がその画業の中でたどった印象派、キュビスム、フォーヴィスム、シュルレアリスムなどの代表的な作家を中心に収集している。海外作家コレクションの中でも、シュルレアリスムの作品群は特に充実しており、ルネ・マグリットの「現実の感覚」をはじめ、ダリ、デルヴォーらの名品を観覧できる。
また、彫刻は、イタリア近代彫刻の先駆者メダルド・ロッソをはじめ、マリノ・マリーニ、アルトゥーロ・マルティーニ、ジャーコモ・マンズーなどの作品を収蔵している。
施設内には、一息つける喫茶室やミュージアムショップ、美術図書室などもあり、気軽に美術に触れられる環境が整っている。企画展も定期的に開催されるので気分をリフレッシュしたい時や新しい刺激を受けたい時などには積極的に足を運びたい。
宮崎県立美術館
所在地:宮崎県宮崎市船塚3-210
電話番号:0985-20-3792
開館時間:10:00~18:00 ※展示室への入室は17:30まで
休館日:月曜日 ※祝休日を除く、祝休日の翌平日、年末年始、特別整理期間 ※臨時開館・休館あり
https://www.miyazaki-archive.jp/bijutsu/